ケース2 歯根端切除術(前歯部)②
※症例紹介の情報は、すべて患者様に許可を得た上で掲載しております。
50代 男性
主訴「差し歯が取れた。昔に根管治療した歯の歯茎から膿が出てる。歯茎を抑えると痛い。
鼻の下に違和感がある。」
病名(左上1と2)
歯髄診断名:Previously treated
根尖部診断名:Symptomatic apical periodontitis with sinus tract
治療法:再根管治療(retreatment)

治療前。左上1と2の根尖部に大きな透過像がある。

再根管治療およびファイバーポストコア築造後の左上1と2。歯茎からの膿の出口は消失せず。不快症状もやや残る状態。外科介入を決断。

左上1と2の歯根端切除術後

術後4ヶ月、根尖部の透過像の縮小が確認できる。歯茎からの膿の出口の消失。不快症状もなくなる。経過良好と判断し、最終補綴へ。
<治療費用>
・初診カウンセリング ¥5,500(税込)
・再根管治療(前歯部) ¥121,000(税込) ×2本
・ファイバーポストコア ¥11,000(税込) ×2本
・歯根端切除術(前歯部) ¥55,000(税込) ×2本
※被せ物の費用は含まれていません。
<治療期間> 約4週間
<治療回数> 3回
利点
・歯牙の保存ができる。欠損補綴の回避(もしこの2本抜歯となると右上3から左上3までの計6本のロングスパンブリッジかまたはインプラントが想定される)。
欠点
・根管治療および歯根端切除術による偶発症(アレルギー反応、口唇や歯茎の損傷、
疼痛ショック)のリスク
コメント
・術前のレントゲン写真から、左上1と2の根尖部に大きな根尖病変が確認できました。
再根管治療で治癒が見られない場合は外科介入(歯根端切除術)が必要になります。
再根管治療後も症状の改善は見られないため、歯根端切除術を行いました。
歯根端切除術は、局所麻酔を行い、歯肉を剥離して歯根の先端部を3mm(根尖病変ごと)切除する治療法です。
術後経過も良く、今は最終的な被せ物が入っています。
これだけ病変が大きいと完全にレントゲン所見から消失するまで1年以上かかることもあるので、
引き続き経過観察を行なっていく予定です。
院長 白瀬 浩太郎
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