治療内容
被せ物除去虫歯除去
隔壁形成
ラバーダム防湿
根管拡大
根管洗浄
根管充填
経過観察
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被せ物除去
この写真のように、被せ物に隠れて虫歯(黒い部分)が進行していることが多々あります。
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虫歯の除去
虫歯を染め出す液を使用にながら、マイクロスコープ下で取り残しがないか確認します。
取り残しがあると、治りに影響するのはもちろん、土台や被せ物の接着にも影響します。
むやみに削ると天然歯質も削ってしまうので、 際どいところは超音波チップで慎重に削合します。
「感染物の徹底除去」と「天然歯質の保存」の両立が重要です
取り残しがあると、治りに影響するのはもちろん、土台や被せ物の接着にも影響します。
むやみに削ると天然歯質も削ってしまうので、 際どいところは超音波チップで慎重に削合します。
「感染物の徹底除去」と「天然歯質の保存」の両立が重要です
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隔壁形成(かくへきけいせい)
隔壁形成とは、むし歯などで失った歯質を修復することです。
歯質が少ない状態で無理にラバーダム防湿をしようとすると、治療中にクランプが外れたりするので危険です。
また隔壁形成による歯の立体的な補強によって仮蓋の厚みが確保でき、治療期間中の細菌侵入を防ぎます。
隔壁形成についてより詳しく知りたい方は、コラム「隔壁形成について」 をご覧ください。
歯質が少ない状態で無理にラバーダム防湿をしようとすると、治療中にクランプが外れたりするので危険です。
また隔壁形成による歯の立体的な補強によって仮蓋の厚みが確保でき、治療期間中の細菌侵入を防ぎます。
隔壁形成についてより詳しく知りたい方は、コラム「隔壁形成について」 をご覧ください。
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ラバーダム防湿
ラバーダム防湿は、治療歯への唾液の侵入防止や、術者の指が患者の舌や頬粘膜に触れるのを防ぎます。
他にも、術野の明瞭化や、器具や薬液の誤飲防止の利点があります。
世界の標準治療として、ラバーダム防湿は必須です。
他にも、術野の明瞭化や、器具や薬液の誤飲防止の利点があります。
世界の標準治療として、ラバーダム防湿は必須です。
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ラバーダムの封鎖性をより確実にするために、クランプ周囲にオラシール(白いパテ状の素材)を充填します。
その後、5%ヨードと30%過酸化水素水による治療歯の消毒を行います。
茶色く見えるのはヨードによるものです
その後、5%ヨードと30%過酸化水素水による治療歯の消毒を行います。
茶色く見えるのはヨードによるものです
![](img/yazirushi_pic.jpg)
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根管内の清掃(根管拡大)
根の病気の原因は「細菌」です。そのため、細菌感染に最大限配慮した環境下で治療を行うことが重要です。
ラバーダム防湿が完了してから、初めて根管内に器具を入れます。
ラバーダム防湿が完了してから、初めて根管内に器具を入れます。
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根管内の細菌や、汚染された根管内壁を除去していくことを根管拡大といいます。
超音波チップ、Ni-Tiロータリーファイル、手用ファイルなど様々な器具を使用します。
超音波チップ、Ni-Tiロータリーファイル、手用ファイルなど様々な器具を使用します。
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根管洗浄
根管洗浄とは、根管内を薬液で殺菌洗浄することです。
当院では、科学的根拠(エビデンス)に基づいて、3%次亜塩素酸ナトリウムと18% EDTAの交互洗浄を行っております。
これらの薬液のさらなる作用向上のため、当院では超音波振動による薬液の活性化を行っています。
超音波を使用すると薬液が飛沫するので、安全面からラバーダム防湿は必須です。
当院では、科学的根拠(エビデンス)に基づいて、3%次亜塩素酸ナトリウムと18% EDTAの交互洗浄を行っております。
これらの薬液のさらなる作用向上のため、当院では超音波振動による薬液の活性化を行っています。
超音波を使用すると薬液が飛沫するので、安全面からラバーダム防湿は必須です。
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根管充填
根管内が綺麗になったら、仕上げに根管充填を行います。
根管充填とは根管内をお薬で封鎖することです。
根管の中が空洞だと、細菌が増殖するスペースができたり、また根尖から組織液が侵入しそれは細菌の栄養源になります。
このようなことを防ぐために、根管内は隙間なく封鎖する必要があります。
当院は、バイオセラミック系シーラーを用いた根管充填を 行っています。
この素材は、抗菌性と封鎖性に優れています。
根管充填とは根管内をお薬で封鎖することです。
根管の中が空洞だと、細菌が増殖するスペースができたり、また根尖から組織液が侵入しそれは細菌の栄養源になります。
このようなことを防ぐために、根管内は隙間なく封鎖する必要があります。
当院は、バイオセラミック系シーラーを用いた根管充填を 行っています。
この素材は、抗菌性と封鎖性に優れています。
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経過観察
(※上記の画像とは別の歯になります)
根尖に病変があっても、無菌的環境下(ラバーダム防湿)で科学的根拠(エビデンス)に基づいた治療を行うことで、術後3ヶ月には根尖病変は消失し、そこは健全な骨に置き換わりました。
当院では、無菌的処置の原則を厳守して治療を行うため、90~120分の治療時間が約1~3回必要になります。
根尖に病変があっても、無菌的環境下(ラバーダム防湿)で科学的根拠(エビデンス)に基づいた治療を行うことで、術後3ヶ月には根尖病変は消失し、そこは健全な骨に置き換わりました。
当院では、無菌的処置の原則を厳守して治療を行うため、90~120分の治療時間が約1~3回必要になります。
根の治療の成功率について
何をもって「根の治療」は成功したと言えるのでしょうか?
■成功の判定基準
① 症状がない(歯の痛みや膿の出口の消失)
② レントゲンで膿の袋の縮小がみられる
※Friedman S, et al. J Calif Dent Assoc. 2004.(一部改変)
治療後に、この二つが成立して根の治療は成功したと言えます。
特に、「※1膿の袋」と「※2膿の出口」は客観的に判断しやすい指標です。
![](img/root/success_img01.png)
![](img/root/success_img02.png)
※2 根の先に溜まった膿が歯肉を破って出てくる出口のこと。歯肉に白くプチッとニキビみたいに見える。
通常、根の治療が奏功していれば術後3ヶ月もすると、レントゲン写真で膿の袋の縮小傾向がみられます。長く経過をみても膿の袋の大きさに変化がなかったり、もしくは以前より大きくなっていれば治癒不全(失敗)の可能性が高いでしょう。
また、膿の出口は、治療後1週間以内に速やかに消失することがほとんどです。
数週間待っても消えなかったり、一度消えたのがまた出てきた場合は同じく治癒不全である可能性が高いと言えます。
■根の治療の成功率
これからお伝えする成功率は独自の経験則などではなく、全て※論文を元にした成功率であり、それは以下の条件を満たしていることが前提です。
・ラバーダム防湿
・科学的根拠に基づいた拡大と洗浄
・マイクロスコープ
・MTA
※Sjogren U, et al. J Endod.1990. Salehrabi R,et ai.J Endod.2004 Setzer FC, et ai.J Endod.2010. Gorni FGM, et al.J Endod.2004・科学的根拠に基づいた拡大と洗浄
・マイクロスコープ
・MTA
またこれらの条件を満たしていても、成功率は歯の状態によって異なります。
おおまかに以下のA~Dの4つのパターンに分けられます。
![](img/root/success_img03.png)
これは、繰り返される根の治療による根管の変形が、根管内の拡大・洗浄の弊害となり細菌除去の効果に影響するためです。
また膿の袋があるということは根の先まで感染の範囲が広がっていることを意味するため、成功率に影響します。
根管治療で治らない場合、 歯根端切除術が必要になります。
![](img/root/success_img04.png)
歯根端切除は非常に予知性の高い治療です。
マイクロスコープ下で行う「歯根端切除」の成功率は約90%と報告されています。
(Setzer FC,et al. J Endod. 2010)
成功率を見ると、最初から積極的に「歯根端切除」をした方が良さそう思えます。
しかし「歯根端切除」は、歯肉をめくったり、部分的に顎の骨を削ったり、根を一部切除したりと、「根管治療」よりも侵襲性(しんしゅうせい)が高いのが特徴です。
そして、「歯根端切除」で解決できなかった場合の次は抜歯です。
そのためまずは「根管治療」により最大限の細菌の除去を試みることが第一選択となります。それでも解決されない時に、最後の切り札として歯根端切除術の介入です。
さきほども述べましたが、歯根端切除術は、根尖を切断したあとに根管を少し掘り(逆根管形成)、お薬を詰めて封鎖(逆根管充填)する必要があります。
ここはとくに精密な手技が求められるため、肉眼で行うのは推奨されません。
マイクロスコープの高倍率視野で、切断面の診査、逆根管形成、逆根管充填を行うことによって90%の成功率を導くことができるのです。
■まとめ
・神経が生きている場合の「根管治療(=根の治療)」の成功率は95%を超える。
・治療歴が数回以上あり、かつ膿の袋がある「根管治療」の成功率は約40%である。
・「根管治療」で治らない場合は、「歯根端切除術」の介入が必要となる。
・マイクロスコープを用い、厳密な治療手順のもと行う「歯根端切除術」の成功率は90%である。
・専門医の元で「歯根端切除術」も含めた治療管理を行った場合、膿の袋が治らない可能性は極めて低い。
主な診療内容
生活歯髄保存療法
大きな虫歯でも神経への虫歯の菌の侵入が軽度の場合、虫歯を除去後、神経の近くにお薬を置き、緊密に封鎖して神経を保存する治療法です。
抜髄(ばつずい)
神経の深くまで虫歯の菌が侵入した場合に行う、神経をすべてを取り除く治療法です。
感染根管治療
虫歯の菌が神経の深くまで侵入してから長期間経過した場合に行う、すでに死んでいる神経すべてと感染物を取り除く治療法です。
再根管治療
症状が改善しないまたは再発をくり返すような歯に対して、再び根の治療を行うことを再根管治療といいます。
外科的歯内療法
歯ぐきを切開し、炎症の原因となっている歯根の先端を切除する治療法です。