ケース7 上顎大臼歯 再根管治療
※症例紹介の情報は、すべて患者様に許可を得た上で掲載しております。
40代 女性
主訴「右上がズキズキして痛い。」
部位:右上7
歯髄診断名 :Previously treated
根尖部診断名: Symptomatic apical periodontitis
治療法:再根管治療 retreatment
術前レントゲン写真。
右上7の根尖に大きな黒い影(膿の袋)が見られる。
根管治療開始。
金属の土台を慎重に外す。
土台を外すと中から腐敗臭がし、根管内は多くの感染物質で満たされていた。
拡大、洗浄後。
根管内に最終的な薬(バイオセラミック系)を充填。
その後、歯の補強処置。
ラバーダム防湿下でファイバーポストコア築造。
術後。
術後4ヶ月。
術後10ヶ月。
上顎の場合はその解剖学的構造から、下顎に比べて治癒傾向が観察しにくいが
根尖周囲の黒い影は少しずつ白くなっている。
膿の袋が周囲組織に吸収され、新たに骨に置き換わってきていると考えられる。
また、根尖の輪郭(歯槽硬線)の明瞭化も確認できる。
普段の痛み、打診痛、瘻孔などもなし。経過良好。
紹介先のかかりつけ歯科医院での最終補綴処置を依頼。
<治療費用>
・初診カウンセリング ¥5,500(税込)
・再根管治療(大臼歯部) ¥143,000(税込)
・ファイバーポストコア ¥11,000(税込)
※被せ物の費用は含まれていません。
<治療期間> 約1〜2週間
<治療回数> 2回
今回の治療の利点・欠点
利点
・歯の保存ができる。
・欠損補綴の回避。
欠点
・再根管治療による偶発症(器具破折、アレルギー反応、口唇や歯茎の損傷、疼痛ショック)のリスク
コメント
・今回のようにレントゲンで大きな膿の袋(黒い影)が見られても、無菌的処置の原則に基づいた根管治療を行えば、80%は治癒します。もし治癒不全であればセカンドステップとして意図的再植を行います。意図的再植の成功率は80%です(文献上)。つまり、トータルとして90%以上の確率で治癒させることが可能です。
院長 白瀬 浩太郎
しらせデンタルクリニック
〒520-0832 滋賀県大津市粟津町17番39号 style II 1F
〜 科学的根拠(エビデンス)に基づいた世界標準の根管治療を 〜
「歯の痛み、歯茎の張れ、深い虫歯、神経を残す治療、神経を抜く治療、根の治療 、
膿の袋の治療、歯根嚢胞の治療、歯の移植」等でお困りの方は【しらせデンタルクリニック】まで
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